法人概要About the Association

代表理事挨拶

昨今の革新的医療機器の開発状況を見ると、スタンフォード大学を中心としたシリコンバレーにおいて著しい成功を収めていることが分かります。この成功の理由の一つとしては、成熟したイノベーションエコシステムと密接に連携しながら、スタンフォードバイオデザインで価値主導の医療機器開発を行う人材育成を継続して行っていることが挙げられます。
2015年の安倍首相(当時)によるスタンフォード大学訪問時に、日本でもシリコンバレーのような医療機器開発の実現、および、人材育成を行う必要性についてご講演されたことを契機として、文部科学省のご支援を受けて、大阪大学・東京大学・東北大学の3大学が中心となり、スタンフォード大学と連携してジャパンバイオデザインを立ち上げました。そして、文部科学省、日本医療研究開発機構(AMED)による「橋渡し研究戦略的推進プログラム」事業でのご支援、厚生労働省、経済産業省、そして、(一社)日本医療機器産業連合会をはじめとする産業界のあたたかいご支援を受けながら、価値主導型医療機器開発を行う人材育成を実現するために、フラッグシップとなるジャパンバイオデザイン フェローシッププログラムを開始致しました。そして、スタンフォードバイオデザインと密接に連携、指導・協力を頂きながら日本版バイオデザインを開発し、本プログラムからフェローが次々と育っております。
4年経過した現在、フェローシッププログラムを修了して価値主導型医療機器開発のノウハウを身につけた41名(12チーム)が、それぞれの立場で社会に貢献すべく活動を行っています。具体的には、6社の起業を始めとして、起業を目指して資金獲得してプロジェクト継続、派遣元企業に戻って社内への取り込みを目指す等、様々な形で活躍しております。
また、各所からの要望を受ける形で、産学官医分野の方々を対象としてバイオデザインについて短期間で学ぶことができるセミナー・ワークショップ等を実施しており、現時点で学会主導のイベント等により868名(うち産業界712名、医師67名)の方々にバイオデザイン手法を学んでいただいております。そして、このような活動を通じて、産学官医分野の各所から新たに深いご関心をお寄せいただく機会が増えて参りました。皆様の温かいご支援により、ジャパンバイオデザインが誕生してからの4年間で少しずつ成果が出始め、バイオデザインの輪は確実に広まりつつあるのではないかと感じております。
本活動については、人材育成の観点からアカデミアが積極的にバイオデザインの輪に加わるのは当然として、本プログラムの性質上、産学官医分野を横断して密接につなぐ必要があります。そこで、この流れをさらに加速させるための最大公約数の形として、この度、(一社)日本バイオデザイン学会を立ち上げる運びとなりました。スタンフォードバイオデザインをはじめとして他の海外の機関とも密接な連携を進めながら、日本から次々と革新的な医療機器が開発されるように邁進して参ります。
患者さんによりよい医療を提供するために、課題やニーズを抱えた医療人・優れた技術を擁する企業・医療機器特有の規制やビジネスモデルに精通した人材他、あらゆる国内外のステークホルダーがこの学会を通じて繋がり、医療機器の実装に必要な知識・経験を共有してチームを形成する。そして、世界中の医療現場に新たな価値を提供することで、よりよい医療の実現に貢献する医療機器が次々と日本から誕生することに寄与できるよう、強い意思を持って取り組む所存でございます。引き続き、皆様方の温かいご支援をよろしくお願い申し上げます。

2020年3月

一般社団法人 日本バイオデザイン学会
代表理事 澤 芳樹
一般社団法人 日本バイオデザイン学会 代表理事 澤 芳樹