一般社団法人 日本バイオデザイン学会

法人概要About the Association

代表理事挨拶

革新的医療機器を創出し続ける米国シリコンバレーのイノベーションエコシステムに人材を供給続けるハブとして機能しているのが、スタンフォード大学バイオデザインです。2015年に安倍首相(当時)がスタンフォード大学を訪問され、 日本でもシリコンパレーのような医療機器開発の実現、人材育成を行う必要性について講演されたことを契機として、大阪大学・東京大学・東北大学の3大学が中心となり、スタンフォード大学と連携してジャバン・パイオデザインが生まれました。文部科学省、日本医療研究開発機構(AMED) による「橋渡し研究戦略的推進プログラム」事業でのご支援、厚生労働省、経済産業省、そして、日本医療機器産業連合会をはじめとする産業界のご支援を賜ってきました。

バイオデザインの中核となっているフェローシップは、医療の変革に志を持つ医療従事者、エンジニア、ビジネスパーソンが一つのチームを作り、医療テクノロジーのイノベーションに必要な体系的なプロセスを経験していく人材育成プログラムです。参加するフェローは医療機器の開発手法をただ学ぶだけではなく、実際の医療機器開発プロジェクトを遂行する中で臨床現場に実装するまでの方法を理解し実践します。スタンフォード大学バイオデザインでは20年間で60社以上のスタートアップが創出されており、うちM&A11社、IPO2社の実績を数え、創出された医療テクノロジーによって1000万人以上の患者が恩恵を受けています。ジャパン・バイオデザインでは、これまでの8年間にフェローシッププログラムを修了して医療機器開発のノウハウを身につけた25チーム83名が、 医療機器スタートアップ起業家・経営者、企業におけるインタープレナー、ベンチャーキャピタリスト、医療従事者、研究者などそれぞれの立場で医療の変革を目指して活動しています。プログラムから創出されたスタートアップは9社を数え、グラントの獲得、ベンチャーキャピタルからの資金調達を行いながら医療機器の開発を続けています。バイデザイン手法を用いて医療機器開発を行う仲間のネットワークは、今やアメリカ、インド、シンガポール、中国、台湾、イスラエル、オーストラリア、そしてアフリカへと世界中に広がっており、ジャパン・バイオデザインは世界のバイオデザインとの交流のハブとなっています。

バイオデザインの裾野を広げるべく設立された(一社)日本バイオデザイン学会は、ジャパン・バイオデザインの活動を支援するとともに、バイオデザインが提唱する価値主導型の医療機器開発手法の普及に努めるべく活動を行っております。定期学術集会、産学官医分野の方々を対象としてバイオデザインについて短期間で学ぶことができるセミナー・ワークショップ等を実施して、多くの方々にパイオデザイン手法を学んでいただいております。このような活動を通じて、産学官医分野の各所から新たに深いご関心を持っていただく機会が増えてきました。バイオデザイン学会のミッションは、日本から世界の医療現場に貢献する革新的な医療機器創出に向けて、「バイオデザイン」をキーワードとして、課題やニーズを抱えた医療者・優れた技術を擁する企業・医療機器特有の規制やピジネスモデルに精通した人材を包含したあらゆる国内外のステークホルダー連携がこの学会を通じて繋がり、医療機器の実装に必要な知識・経験を共有するネットワークの形成にあります。ぜひとも、皆様方の力強く温かいご支援を賜りますようによろしくお願いいたします。


2023年6月

一般社団法人 日本バイオデザイン学会
代表理事 小野 稔
一般社団法人 日本バイオデザイン学会 代表理事 小野 稔